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南太平洋:乱獲でマグロに危機(全訳記事)

IPSJapan2007/10/10
最近ハワイで開催された年次総会において、約150人の漁業専門家で構成される「中西部太平洋漁業委員会科学委員会」は、「きはだまぐろ」は生存率50%のレベルまで減少したと警告した。(全訳記事)
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【スヴァIPS=シャイレンドラ・シン、9月28日】

 2006年の記録的漁獲でマグロが激減したとして、グリーンピース・オーストラリア・パシフィックは、太平洋海域のマグロ漁を50%削減するよう再度要求した。

 最近ハワイで開催された年次総会において、約150人の漁業専門家で構成される「中西部太平洋漁業委員会科学委員会」は、「きはだまぐろ」は生存率50%のレベルまで減少したと警告した。

 同委員会は、現行の捕獲が続けば、今後5年間で25%減少するだろうと述べている。

 科学委員会は1年前、委員会参加国に対し、きはだマグロの捕獲を10%、めばちマグロの捕獲を25%減少するよう要求した。

 しかし、中国、日本、台湾を含む中西部太平洋漁業委員会は、勧告に従わなかった。

 グリーンピース・オーストラリアの太平洋行政・海洋チーム・リーダーであるニレシュ・ゴウンダー氏は、昨年からマグロ漁の50%削減を要求しており、その主張は今も変わらないと語る。「3年以内にマグロ資源が深刻な状態に陥るとの科学者の警告を受け、グリーンピースは太平洋における全マグロ漁を、特に巻網漁業を中心に50%削減するよう要求している」と同氏は言う。

 同氏はまた、水産業界は、資源保存に必要な厳しい対策が必要であった2001年に発せられた地域漁業科学者の警告を無視してきたと語る。

 IPSの取材に対し、同氏は「漁業セクター、特に遠洋漁業国(DWFN)は、この警告への対応が非常に遅く、漁獲削減、漁業方法の改善に取り組もうとしなかった」と語った。

 科学委員会は、中西部太平洋の2006年マグロ陸揚げ量は、これまで最多の220万t、30億ドル相当と報告している。

 この漁獲レベルで持続は可能かとの質問に対し、ゴウンダー氏は、「めばち、きはだの2種については不可能だ。この問題について、科学の力を信じることができようか。地元科学者の見方は、DWFN科学者の見解に押し切られている」と語っている。

 ゴウンダー氏は、科学委員会のアセスメントは不法漁船などの問題を検討していないことから、同委員会の漁獲量発表は、実際の漁獲量を下回るのではと考えている。同氏は、「太平洋でどれくらいの不法漁業が行われているだろうか」と指摘する。

 「ほとんどの漁船に監視人は乗っておらず、衛星では捕獲した魚の重さはわからない。広い海域を監視しなければならない島嶼国の政府は、僅か1隻の監視船しか持っていないのだ」

 「これらの要因が漁獲量決定の際に考慮されているだろうか。不確定なことが多すぎ、どの様な予防手段を取るべきかわからない」と語っている。

 マグロ漁は、太平洋地域の最も重要な収入源で、地域全体の国内総生産の約11%、輸出の少なくとも半分を占める。

 主な収入は、特別経済域(EEZ)内で操業する外国漁船に対する漁業ライセンスおよびアクセス料である。国によっては、雇用に繋がる港湾施設、缶詰工場から財政的恩恵を受けている。

 地域全体では、2万1,000から3万1,000人の住人がマグロ業界に直接/間接的に係わっている。ゴウンダー氏によれば、漁業は重要なセクターだが、島嶼国政府は、外国船が行っている大型漁法を憂慮していると言う。外国船の漁獲高は全体の90%、地元漁船の9倍に達する。

 同氏は、大型漁法は、海洋の魚資源を枯渇させると言う。近代的大型巻き網船は、季節ごとに1万1千tの魚を捕獲する。

 これに対し、ニウエのアルミニウム製小型船及び手漕ぎカヌーの2003年マグロ漁獲量は予測100tで、大型巻き網船の僅か2日分である。

 ゴウンダー氏は、「漁船の数を減らすべき時に、むやみに投資を認めて良いのだろうか」と言う。

 同氏によれば、太平洋諸島国の2003年アクセス合意収入は約7,000万ドルで、数10億ドルに及ぶ魚の陸揚げ収入の僅か6%であある。同氏は、極めて不釣り合いだと指摘する。

 漁業合意及びその方法の不平等に加え、太平洋地域は、不法漁業により更に資源を奪われている。不法漁船によるマグロの捕獲は年間30万t、4億ドルから1,340億ドルに及ぶ。

 これは、太平洋島嶼国のアクセス料収入の4倍である。太平洋島嶼国は収入の損失だけでなく、税収入、資源、漁業の将来を失っているのである。ソロモン諸島のゴードン・ダーシー・リロ財務大臣は最近、同様の見解を表明。マグロ漁業アクセス料の取り決めで、同国はひどい扱いを受けてきたと語っている。

 同大臣は、「我々は、高級市場を目指し、早急に陸上施設での加工に着手したい。ソロモンは、マグロ漁場の中心に位置するにも拘わらず、昨年の収入が657万ドルというのは馬鹿げている」と嘆く。

 グリーンピースは、マグロ委員会に加盟する全太平洋諸国に対し、合意しためばちマグロ25%、きはだマグロ10%削減を断固維持するよう、更には諸国海域における漁獲を最高50%削減するよう促した。

 ゴウンダー氏は、「漁獲の50%削減は、太平洋の経済にとっても貴重なマグロ資源の将来にとっても良い解決法である」と語っている。(原文へ

翻訳=山口ひろみ(Diplomatt)/IPS Japan浅霧勝浩

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南太平洋:乱獲でマグロに危機(全訳記事)
最近ハワイで開催された年次総会において、約150人の漁業専門家で構成される「中西部太平洋漁業委員会科学委員会」は、「きはだまぐろ」は生存率50パーセントのレベルまで減少したと警告した。同委員会は、現行の捕獲が続けば、今後5年間で25パーセント減少するだろうと述べている。 資料:Envolverde
南太平洋:乱獲でマグロに危機(全訳記事)
マグロ漁は、太平洋地域の最も重要な収入源で、地域全体の国内総生産の約11パーセント、輸出の少なくとも半分を占める。 資料:Envolverde

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